スプレッドシートの条件付き通知の使い方|Google Workspaceでできること

Googleスプレッドシートを日々使う中で、

「ある列にチェックがついたら知らせてほしい」
「数値が変わったらメールで通知してほしい」

そんな場面はありませんか?

Google Workspaceアカウントの場合、こうしたニーズに応える「条件付き通知」機能が使えます。

設定した条件を満たしたときだけメールで知らせてくれるため、毎回シートを開いて確認しなくても重要な変化をカンタンに把握できます。

この記事では、この条件付き通知機能の使い方や活用シーン、注意点をご紹介します。

目次

条件付き通知とは?

「条件付き通知」は、Google Workspace のスプレッドシートで使える通知ルール機能のひとつです。

特定の列やセルの値が変化したときにだけ通知が届くように設定できます。

通常の「編集通知」とは異なり、条件ベースで動作するのが特徴です。

この機能は、Google Workspaceユーザーにのみが利用可能で、画面上部のメニューや、右クリックメニューから簡単にルールを作成できます。

編集通知との違い

Google スプレッドシートには「条件付き通知ルール」以外にも、「編集通知(変更履歴の通知)」機能があります。

違いは以下のとおりです。

項目条件付き通知編集通知(変更通知)
利用対象Google Workspaceアカウント限定すべてのアカウントで利用可能
通知のきっかけ指定範囲のセルの値が変更されたときシート内の編集が発生したとき全般
通知の範囲指定列・セル範囲を指定可能シート全体のみ対象
(絞り込み不可)
通知手段メール(最大10件まで)メール(1件)
用途に向いている場面特定の変化のみを検知したい場合全体の変更を幅広く把握したい場合

「編集通知」は、対象のシートがいつ誰により編集されたかをざっくり把握するのに向いています。

それに対して「条件付き通知」は、特定の列や範囲の変化に反応して通知できるため、よりピンポイントな確認に適しています。

条件付き通知でできること

条件付き通知を使うと、スプレッドシートで「セルの値が変更されたとき」に自動で通知を受け取ることができます。
対象となるのは、特定の列だけでなく、任意のセル範囲(カスタム範囲)も指定可能です。

条件付き通知でできることの例

  • A列のセルが変更されたら通知を送る
  • チェックボックスがオンになった行だけを対象にする
  • 「承認済」や「完了」などの入力が行われたセル範囲だけを監視する

通知はメールで最大10件まで同時送信でき、宛先はルール作成時に手動で入力します。
これにより、重要な箇所だけを対象に通知を受け取ることで、業務の見逃しや手間を減らすことができます。

条件付き通知の活用例

条件付き通知は、「特定の変化だけをメールで知らせてくれる」ため、日々の確認作業を減らしたい場面や、作業漏れを防ぎたい場面でとても有効です。

実際の業務では、次のような使い方ができます。

タスク管理

チェックボックス欄に✔がついたら、担当者に自動でメール通知。
→ タスクの完了や対応済みの確認を見逃さずに済みます。

申請や承認フロー

「承認済」「差し戻し」などの入力があったら、上長や管理者に通知。
→ 承認後の対応をすぐに開始でき、全体のスピードアップにもつながります。

営業や顧客対応の進捗管理

進捗列が「完了」に変わったタイミングで通知を送信。
→ 各案件の状況をリアルタイムに把握できます。

在庫・数値監視

在庫数が手入力で更新されたときに通知。
→ 在庫の変動があった際に確認で、簡易的な在庫監視として活用可能です。

このような誰かの作業や入力をきっかけに通知が飛ぶようにすることで、「入力されているかどうか毎回チェックする手間」を減らすことができます。

条件付き通知の設定方法

Google スプレッドシートの条件付き通知は、通知ルールとして簡単に設定できます。

設定方法は以下のとおりです。

STEP
メニューまたは右クリックから「条件付き通知」を選択

上部メニューの「ツール」から「条件付き通知」を選ぶか、
セルを右クリックして表示されるメニューから「条件付き通知」をクリックします。

STEP
ルール名を入力

ルール名は自由に入力できます。

「承認時通知」や「完了チェック通知」など目的がわかりやすくなるよう入力します。

STEP
実行条件を確認

セル値が変更された場合」があらかじめ設定されています。

この条件は他の選択肢がありません。

STEP
対象の列または範囲を指定

通知対象とする列(例:列A〜列F)や、セル範囲(カスタム範囲)を指定できます。

STEP
通知の条件を細かく設定する

対象となる列や範囲を指定したあと、さらに「どのような変化があったときに通知を送るか」を絞ることができます。

たとえば、「空白ではない」「特定の文字列を含む」といった条件を指定することで、必要なときだけ通知を受け取る設定が可能です。

STEP
通知の動作を確認

「メール通知を送信」があらかじめ設定されています。

この動作は他の選択肢がありません。

STEP
宛先のメールアドレスを入力

以下2つの方法のどちらかを選び、通知を送る相手のメールアドレスを指定します。

各メールを手動で入力

1件ずつ直接メールアドレスを入力する方法です。
チームメンバーや特定の担当者など、あらかじめ宛先が決まっている場合に便利です。

メールアドレスの列を選択

スプレッドシート内にある「メールアドレスが記載された列」を指定して、そこにあるアドレスに通知を送る方法です。

データの受信者が都度変わる場合や、申請者リストなどから動的に宛先を取得したい場合に向いています。

どちらの場合も、通知先の上限は最大10件までです。

STEP
「保存」をクリックしてルールを有効にする

最後に「保存」を押して、設定完了です。

通知ルールはあとから編集・削除もできます。

これで、指定したセルや列に変更があったときだけ、自動で通知が届くようになります。

手作業での確認作業を減らしつつ、必要な情報をキャッチできます。

通知の例

通知メールには変更があったセルの位置(例:セル D8)や、変更前/変更後の入力内容が表示されます。(画像では変更前のセルは空白)

通知件数が複数ある場合でも、どのセルがどのように編集されたかが確認できるため、重要な変更を把握して、対応すべきかどうかの判断がしやすくなります。

注意点と制限事項

「条件付き通知」は便利な機能ですが、以下のような制限や仕様があります。

項目内容
利用できるユーザーGoogle Workspace アカウントのみ対応
(個人アカウントでは利用不可)
実行条件の固定実行条件は「セル値が変更された場合」のみ
(他の条件は指定不可)
通知手段メール通知のみ対応
(Slackやチャットなどには非対応)
対象範囲の指定列全体またはカスタム範囲での指定が可能
宛先の上限通知先メールアドレスは最大10件まで
通知のルールごとに手動入力が必要

通知手段はメール通知のみで、Slackやチャットワークなどへの通知は非対応です。

→ これらのツールと連携する場合は、Google Apps Script(GAS)を使うことで実現可能です。

GASを使った方法ではより柔軟な通知が可能

条件付き通知は、特定の範囲のセル変更に対してメール通知を行う、シンプルで便利な機能です。

一方で、通知手段や通知のタイミング、宛先をより自由にコントロールしたい場合には、Google Apps Script(GAS)を使った方法も選択肢のひとつです。

たとえば、以下のようなことがGASでは可能になります。

  • 通知先を Slack やチャットワークなど外部サービスに変更
  • 一定時間ごとにスプレッドシートを自動チェックして通知
  • 条件分岐による通知の出し分け(例:承認/差し戻しで送信先を変える)
  • チェックが入った行の情報を含めて、通知内容を作成

外部サービス(Slack)を使った通知については以下の記事をご覧ください。

まとめ

Google スプレッドシートの「条件付き通知」機能を使えば、特定のセルの変更を対象に、メールで自動通知を受け取ることができます。

これにより、シートを開いて一つひとつ確認する手間を省きながら、見逃せない変更をキャッチすることが可能になります。

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