Googleスプレッドシート×Gemini｜関数・分析・グラフ作成をAIで効率化

2025年5月16日

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Googleスプレッドシートでは、AIアシスタントのGeminiを活用することで、関数の作成やデータ分析の要約、グラフ構成の提案などを行うことができます。

これまで、手作業で関数を調べたり、グラフの作成に時間がかかっていた業務も、Geminiの活用によって効率化が期待できます。

特に、関数に不慣れな場合でも、「○○の平均を出したい」「○○の条件を満たす行を抽出したい」といった自然な表現で指示できるのが魅力です。

GoogleスプレッドシートでのGemini機能は、Google Workspaceでは「Business Standard」以上のプランで利用可能となっています。
個人アカウントの場合は「Google One Premium（Gemini Advanced）」の契約が必要です。

本記事では、Googleスプレッドシートで使えるGeminiの主な機能についてご紹介します。

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Googleスプレッドシート×Geminiでできること

機能名	概要
テーブル作成支援	参照データをもとに、条件に合うデータを抽出して表形式で出力
数式の作成支援	自然言語で意図を入力すると、適切な関数と構文を提案
データ分析の要点抽出	表の中から主要な傾向やポイントを自動でまとめてくれる
グラフや構造の提案	データに適したグラフの種類や構成を提案し、作成補助も可能

Googleスプレッドシートに搭載されたGeminiを活用すれば、表やグラフを作成したり、関数を自動で提案してもらったりと、さまざまな業務の時短が可能になります。

上記以外にも、プロンプト入力を活用すれば、柔軟な表作成・分析・提案ができます。

テーブル作成支援

メリット	デメリット
条件に合ったデータを自動抽出して表形式にしてくれるレイアウト調整不要で、見やすい形で貼り付けられる複数条件や別シートの参照なども応用可能	表形式で出力されるため、関数が必要な場合は手動対応が必要条件の解釈が合わないと意図と異なる結果が出る

GoogleスプレッドシートのGeminiでは、参照のデータをもとに自動でテーブル（表）を作成してくれる機能があります。

たとえば、消耗品の在庫を確認する表で「在庫の補充が必要な商品を表示したい」といったケースでは、以下のようなプロンプトを入力すると、

在庫数が発注基準を下回っている品目を表示してください

Geminiが「在庫数」と「発注基準数」の項目を参照し、条件に合うデータをテーブル形式で提案してくれます。

テーブル作成支援の手順

STEP

データ範囲を選択

データが入力された範囲を選択します。（例：A1:C6など）

（シート内にあるデータがシンプルなものであれば、範囲選択しなくてもGeminiが自動で判別してくれます。）

今回の在庫表の例では以下の項目としています。

A列：品目
B列：在庫数
C列：発注基準数

STEP

画面右上の「Gemini」アイコンをクリック

画面右上にあるGeminiアイコンをクリックします。

その後、画面右にサイドパネルが表示されます。

STEP

表示されたサイドパネルにプロンプトを入力

表示されたサイドパネルにプロンプト（AIへの指示文）を入力します。

今回の例では、以下を入力してテーブル形式で出力してもらいます。

プロンプト入力例

「在庫数が発注基準を下回っている品目を表示してください」

プロンプトを入力後、エンターキーを押すとGeminiが実行されます。

STEP

提案内容を確認して「挿入」または「コピー」

表として提案される内容が表示されるので、内容を確認して「挿入」または「コピー」をクリックします。

選択したセルにテーブル形式で貼り付けられます。

Geminiの抽出結果も指示通りで、発注基準を下回ったものだけが表示されています。

数式の作成支援｜「何をしたいか」をそのまま入力

メリット	デメリット
数式が苦手な人でも関数を扱える関数の構文を暗記しなくても使える指定セルや範囲も自動で提案される	条件が複雑になると、意図と異なる関数になる場合がある指示した内容がうまく伝わらないこともある数式が作成されず、エラーになることがある

スプレッドシートで関数を使いたいけれど、数式が分からない…。そんなときでもGeminiを使えば、

「この列の合計を出したい」
「B列とC列の差を出して、10未満の行だけ表示したい」

といった自然な文章で関数を生成できます。

特に、関数の構文に詳しくない方や、ちょっと複雑な条件で迷ったときに便利な機能です。

Geminiのサイドパネルにある「数式を作成」ボタンを使うと、目的に合った数式を提示してくれます。

例として、先ほどの消耗品在庫表を使って、数式で在庫が発注基準を下回る商品の抽出をしてみます。

数式を作成の手順

※STEP!、STEP2はテーブル作成支援と同じ手順です。

STEP

データ範囲を選択

データが入力された範囲を選択します。（例：A1:C6など）

STEP

画面右上の「Gemini」アイコンをクリック

画面右上にあるGeminiアイコンをクリックします。

STEP

「数式を作成」ボタンをクリック

サイドパネルに表示された「数式を作成」をクリックします。

STEP

プロンプトを入力

数式にしてほしい内容を入力します。

範囲を指定した方が正しい数式を回答してくれやすくなります。

,kona

A1:C6の範囲で、在庫数が発注基準を下回っている品目を表示する数式を作成してください

STEP

表示された数式を任意のセルに「挿入」または「コピー」

Geminiの回答は数式に加えて、解説も付けてくれます。

回答で表示された数式を「挿入」または「コピー」して、任意のセルに入力します。

Geminiの回答した数式

=FILTER(A1:A6, B1:B6 < C1:C6)

今回の例ではフィルタ関数を使った抽出方法を回答してくれました。

任意のセルに貼り付けた結果

該当する品目だけを抽出する数式で、結果は正しく反映されています。

数式のA1:A6をA1:C6に変更すると、数量も表示されるようになりますが、このあたりは追加のプロンプトを入力すれば回答がもらえそうです。

データ分析の要点抽出｜傾向をカンタンに把握

メリット	デメリット
データの傾向をすばやく把握できるデータを共有する前の要約として活用しやすい	分析結果が詳細すぎて、要点を把握しにくいことがある要点だけを抜き出すには、追加のプロンプトが必要なことがある

スプレッドシートに入力された表の中から、Geminiが傾向を読み取り、分析結果を教えてくれます。

ですが、分析結果が詳細で、要点を把握しにくいことがあります。

要点を短くまとめて使いたい場合には、
「箇条書きで3行にまとめてください」などのプロンプトを加えるとスムーズです。

Geminiによる分析の手順

STEP

分析したい表を選択

通常の表と同様に、範囲をドラッグで選択します。

STEP

右クリック →「Gemini で分析」を選択

Geminiが自動で分析を実施し、右側に詳細なテキストが表示されます。

分析結果

STEP

要点としてまとめたい場合はプロンプトを追加

Geminiでは、詳細な傾向分析を自動で行ってくれますが、必要に応じて要点だけを短くまとめるよう依頼することも可能です。

たとえば、

この内容を3行程度で要点だけ箇条書きでまとめてください。

または、

この分析結果の要点を簡潔に伝えてください。

と伝えると短くまとめてもらうことができます。

グラフの提案｜目的に合った可視化をサポート

メリット	デメリット
データの特徴に応じた最適なグラフを自動で提案グラフ作成に不慣れでも視覚的にわかりやすく仕上げられる	グラフの体裁や色などを細かくカスタマイズするには不向き提案されたグラフが意図とズレることがある

GoogleスプレッドシートのGeminiには、選択したデータをもとに最適なグラフの種類や形式を自動提案・生成してくれる機能があります。

グラフの種類や軸の設定などを自分で考えることなく、データに合った形で適切なビジュアルを提示してくれるため、資料作成や報告書作成の手間を省くことができます。

ですが、グラフを細かくカスタマイズするには不向きなため、その場合は自分で作成した方が効率的です。