e-Taxで電子納税証明書(PDF)を取得する方法|IT導入補助金申請をスムーズに

前回の記事では、納税証明書の取得方法として窓口、郵送、オンライン(e-Tax)の3つの方法があることをご紹介しました。
今回はその中でも、利便性の高いe-Taxを利用したオンライン申請について、電子納税証明書(PDF)の取得手順を分かりやすくご説明します。
オンライン申請することで、窓口での手続きに比べて時間と手間を省けます。

電子納税証明書(PDF)のメリット
電子納税証明書(PDF)は、税務署に行かずにオンラインで取得できる納税証明書です。
主なメリットは以下の通りです。
- 24時間いつでも申請・取得が可能
- 証明書を即時ダウンロードできる
- IT導入補助金などの補助金申請で有効な証明書(PDF形式のみ)
事前準備と必要なもの
e-Taxを利用して電子納税証明書を請求するには、以下のものを事前に準備します。
(法人の場合)
- e-Taxアカウント
法人としてe-Taxを利用するためのIDとパスワードです。
取得していない場合は、利用開始手続きをしてアカウントを作成します。 - 電子証明書(ファイル形式)
「商業登記に基づく電子証明書(法務局発行)」または「民間認証局(商工会議所等)で発行された電子証明書」のいずれかを用意します。 - 電子証明書のパスワード
電子署名を行う際に必要となります。 - 手数料支払い用のインターネットバンキング等
手数料納付は、ペイジーやインターネットバンキングなどで行います。 - パソコンとインターネット環境
e-Taxの操作や電子証明書のアップロードができるPC環境が必要です。
個人事業主としてe-Taxを利用する場合は、マイナンバーカードおよびICカードリーダー等での電子証明書利用が必要です。
e-Taxで電子納税証明書を請求する手順
ここからは、実際の画面例とともにステップごとにご説明します。
e-Taxにログイン~申請データの送信

e-TaxのWEB版にアクセスし、画面右上の「ログイン」をクリックします。

「個人の方」、「法人の方」で分かれているので、該当する方をクリックしてログインします。
今回の例では「法人の方」として手順をご説明します。
まだアカウントがない場合は、画面右側に表示される「初めての方はアカウント作成」から手続きします。

利用者識別番号とパスワードを入力して、「ログイン」をクリックします。

ログイン後、「申請・納付手続きを行う」をクリックします。

申告・申請・納税画面の「新規作成」の項目にある「操作に進む」をクリックします。

メニューから「納税証明書交付請求」の項目をクリックします。

納税証明書の交付方法を選択します。
「書面で受け取る」または「電子ファイル(PDF)で受け取る」のどちらかを選び、次へ進みます。
納税証明書をすぐに取得したい場合は「納税証明書を電子ファイルで受け取る」で進めます。

納税証明書の受取方法を選択します。
「電子ファイル(PDF)で受け取る」を選択した場合は、この項目は自動的にスキップされます。
(選択できなくなります)

電子ファイル(PDF)で納税証明書を受け取る場合は、電子証明書が必須となるため、この選択画面は自動でスキップされます。
(選択できなくなります)
つづいて、画面下の「次へ」をクリックします。

納税証明書をPDF形式またはXML形式のどちらで受け取るかを選択します。
IT導入補助金の申請では「PDF形式」の電子納税証明書が必要ですので、「PDF形式」を選択します。

納税証明書の請求方法を選択します。
ご自身の納税証明書を申請する場合は「ご自身の納税証明書を請求される方」を選択します。
代理で申請する場合は、該当する電子委任状の選択肢を選んでください。
選択したら、画面下の「次へ」をクリックします。

納税証明書の提出先となる税務署(または国税局)を選択します。
一般の納税証明書交付やIT導入補助金の申請など、通常の利用では「税務署へ提出する方」を選びます。
(「国税局へ提出する方」は、国税局への申請や手続きが必要な特殊なケースが主です。)
都道府県と税務署名をプルダウンからび選択し、画面下の「次へ」をクリックして進みます。

申請する納税証明書の種類を選択し、「作成」をクリックすると、詳細入力の画面に進みます。
IT導入補助金の申請で必要になるのは(その1)、(その2)のどちらかとなります。
- 「納付すべき税額、納付した税額及び未納税額の証明(その1)」
- 「法人税の所得金額の証明(その2)」

証明書の詳細項目を入力します。
- 税目
-
IT導入補助金の申請では、「法人税」を選択してください。
(「消費税及び地方消費税」やその他の税目は、補助金の必要書類として認められていません。)
- 証明を受けようとする国税の年度
-
ここには、証明を受けたい会計年度(事業年度)を入力します。
IT導入補助金の申請では「直近の確定申告が済んでいる年度(直前の事業年度)」分が必要となります。例:自社の会計年度が「4月1日~翌年3月31日」の場合、令和7年7月に補助金を申請するなら、最新の確定申告が済んでいる「令和6年4月1日~令和7年3月31日」分を指定します。
- 証明を受けようとする事項
-
IT導入補助金の申請に使用する場合「法定納期限」や「源泉徴収税額」の項目は空欄のままで構いません。
- 証明書の請求枚数
-
電子交付の場合は「1枚」のみ選択でき、自動入力されています。
入力後、画面下にある「決定」をクリックします。

申請する納税証明書の種類を選び、詳細な入力項目(税目や年度、枚数など)をすべて入力し終えたら、画面下の「次へ」をクリックしてください。
これで証明書の種類・内容の入力が完了し、次のステップ(証明書の使用目的の選択)に進みます。

納税証明書の使用目的を選択します。
IT導入補助金の申請で提出する場合は、「登録申請(更新)」にチェックを入れてください。
選択が完了したら「次へ」を押して進みます。


これまでに入力した内容が一覧で表示されます。
誤りや漏れがないかを確認し、修正が必要な場合は該当箇所の「訂正」ボタンを押して修正してください。
内容に問題がなければ、画面下の「次へ」をクリックして進みます。

申請内容の確認が終わったら、「電子署名の付与」をクリックして、電子署名を付与します。
法人の場合、e-Taxで電子署名を付与する際は、法人名義の電子証明書ファイルを使用します。
(個人の場合はマイナンバーカード)

「電子署名の付与」ボタンをクリックすると、証明書ファイルを選択する画面が表示されますので、発行済みの電子証明書ファイルを指定してください。

電子証明書ファイルは、上のようなアイコンやファイル名で表示されていることが多いです。
(例:「2024〇〇〇〇電子証明書」)
電子署名が付与できたら、「送信」ボタンを押して受付システムへ申請データを送信します。
(必要に応じて、受信通知の格納先フォルダを「フォルダ選択」から指定することもできます)


申請データを送信すると、「送信が完了しました。」という画面が表示されます。
この画面では、受付日時や受付番号、受付ファイル名などが一覧で表示されます。
この即時通知は再表示できませんので、必要に応じて「印刷」または「保存」ボタンで控えを残しておきます。

「受信通知の確認」で受付状況を確認した後、左側メニューの「送信結果・お知らせ」をクリックして、送信結果や証明書の取得状況をチェックします。
手数料の納付・納税証明書(PDF)のダウンロード
納税証明書の発行には手数料(1通370円)が必要です。
「送信結果・お知らせ」画面、または申請手続き完了の通知画面に表示される「手数料納付」や「納付情報」などの案内に従って、インターネットバンキングやペイジーなどで手数料を納付します。
納付が完了すると、納税証明書のダウンロードが可能になります。

手数料の納付が完了したら、e-Taxの「送信結果・お知らせ」画面に戻り、
「納税証明書データ」の項目から「保存する(PDF形式)」ボタンからファイルをダウンロードします。
このPDFファイルがIT導入補助金の申請に利用できる正式な電子納税証明書となります。
※画面は「e-Tax 国税電子申告・納税システム」より引用
まとめ
- 申請手続きはe-Taxからオンラインで完結可能
- 発行には手数料の納付が必要(1通370円)
- 証明書のダウンロードは必ずPDF形式で行う(XML形式は不可)
e-Taxを利用すれば、納税証明書の申請からPDFの受け取りまでオンラインで簡単に行うことができます。
納税証明書の取得は手間がかかるように感じますが、一度流れを覚えれば短時間で完了します。
効率よく書類をそろえて、IT導入補助金の申請に役立てましょう。
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