Chromeリモートデスクトップのメニューと設定方法|外出先での作業をもっと快適に

テレワークや外出先からの業務対応をスムーズにするChromeリモートデスクトップ。
メニュー機能や各種オプションを使いこなすことで作業効率が向上します。
本記事では、リモートアクセス中に使える画面上のメニュー機能についてご紹介します。

メイン画面とメニューの概要

リモートアクセスが開始されると、接続先パソコンの画面がメイン画面として表示されます。
画面右側にはメニュー(パネル)があり、デフォルトでは折りたたまれていますが、「<」アイコンをクリックすると展開できます。
このメニューから、画面表示の調整やファイル転送、入力操作の設定など、リモート作業を快適にするさまざまな機能を利用できます。
画面表示とセッション管理の設定
切断(ボタン)

メニューの上部に表示される切断ボタンです。
現在のリモート接続を終了し、セッションを切断します。
作業が終わったらこの「切断ボタン」もしくは画面内に表示された「Stop Sharing」を押して、接続を終了します。
全画面表示(ボタン)

リモートPCの画面をブラウザいっぱいに全画面表示に切り替えます。
より大きな画面で作業したいときに便利です。
解除はESCキーまたは再度このボタンを押します。
セッションのオプション
ウィンドウに合わせる

ウインドウに合わせる前

ウインドウに合わせた後

チェックを入れると、リモートデスクトップ全体が今開いているウィンドウのサイズに自動調整されます。
ウィンドウの大きさを変えると、リモート画面もそれに合わせて拡大・縮小されます。
ウィンドウに合わせてサイズ変更

チェックを入れると、リモートデスクトップ側の解像度を、今のウィンドウサイズに合わせて変更します。
画面全体の文字やアイコンが大きすぎる/小さすぎる場合などに調整できます。
チェックを入れるだけでは見た目に変化がないこともあるため、ウインドウのサイズ変更と組み合わせてお試しください。
動画設定
動画コーデック

リモートデスクトップの画面は、映像データとしてネット経由で転送されています。
この時、画面の動きや画像をできるだけキレイに、しかも通信量を少なくして送るための圧縮ルールが「動画コーデック」です。
特にこだわりがなければ「AV1」のままで問題ありません。
画面がカクつく時や古いパソコンなら「VP9」や「VP8」も試して最適なものを選択します。
動画コーデックの種類
AV1は最新で高画質、VP9は多くの機器で安定して使える、VP8は古い環境向きです。
- AV1(エーブイワン)
-
- 最も新しいコーデック。
- 少ない通信量(データ量)で高画質を保ちやすいのが特長。
- 通信速度が遅い環境でも、画質が落ちにくい。
- ただし、古いパソコンや一部のブラウザでは非対応の場合もあります。
- VP9(ブイピーナイン)
-
- 比較的新しいコーデック。
- YouTubeなどでも使われており、高画質と省データ量のバランスが良い。
- AV1ほどではないものの、効率的な画質維持が可能。
- 多くのパソコンやブラウザで対応しています。
- VP8(ブイピーエイト)
-
VP9より前の世代のコーデック。
古いPCやネット回線でも安定しやすいのが特長。
画質や圧縮効率はVP9やAV1よりやや劣りますが、幅広い環境で使えます。
高画質(色)

チェックを入れると、リモートPCの画面をより鮮やかで自然な色合いで表示できます。
写真やイラストなどより鮮やかな色合いで作業したい場合に便利ですが、通信量が増えるためネットワークが安定しているときにおすすめです。
追加の表示・操作オプション
最大フレームレート

映像の滑らかさ(1秒間に表示するコマ数)を設定できます。
デフォルトは「30FPS」です。
数値を高くすると、画面の動きがより滑らかになり、操作の反応も良くなります。
ですが、そのぶんインターネットでやりとりするデータ量が増えるため、回線が遅い場合は動作が不安定になることがあります。
スムース スケーリング

スムース スケーリングは、リモート画面を拡大したときに画像や文字を滑らかに補正する機能です。
基本的にはスムース スケーリングは「オン」にしておくことが推奨されますが、もし以下のような問題に直面した場合は、「オフ」にすることで改善する可能性があります。
- 画面表示にわずかな遅延やカクつきを感じる
- 文字がぼやけて読みづらい
また、高解像度ディスプレイ環境では「オフ」にすることで文字がよりクッキリ鮮明に表示される場合もあります。
入力操作
システムキーを送信する

リモート接続時、
- Alt+Tab(ウインドウの切り替え)
- Ctrl+Alt+Del(タスクマネージャー起動やロック画面表示)
などの「システムショートカットキー」をリモートPC側に送れるようにする設定です。
主に全画面モードのときに有効です。
この機能がオフの場合、これらのキーボードショートカットは、手元のPCで処理されてしまい、リモートPCには伝わりません。
オンにすることで、ローカルPCでなく、リモートPCのOSに対してこれらの命令を送れるようになります。
キーマッピングを設定/キーボードショートカットを設定

キーボード配列やショートカットの割り当てをカスタマイズできます。
日本語キーボード・英語キーボードの違いがある場合や、特定のショートカットを使いたい場合に便利です。
タップ入力を設定する

タブレットやタッチ対応端末の場合、タップ動作の設定を変更できます。

- トラックパッドモード
-
ノートパソコンのトラックパッドのような操作感になります。
画面上で指をスライドさせると、マウスポインタが動きます。クリックやドラッグなど、通常のマウス操作に近い使い方ができます。
タップ=クリック、ダブルタップ=ダブルクリックのように反応します。
- ダイレクトタッチモード
-
タッチした場所がそのままリモートPC上でクリックされる「直接操作型」のモードです。
スマホやタブレットの画面を直接タッチして、リモートPCの同じ場所を操作したい場合に便利です。
- 2本の指でパンとズームを行うタッチモード
-
2本指で画面をスライドすると「パン(画面の移動)」、ピンチイン・アウト(2本指で広げる・閉じる動作)でズーム(拡大・縮小)ができます。
マップや画像など、大きな画面を移動・拡大縮小して見たい時に便利です。
※「パン」は、画面をドラッグして移動する操作のことです。
- 3本の指でパンとズームを行うタッチモード
-
3本指を使って同様に「パン(移動)」や「ズーム(拡大・縮小)」ができます。
2本指モードと同様ですが、3本指のジェスチャーで操作したい場合に選びます。
(他の2本指操作と干渉しにくい、というメリットもあります)
相対マウスモード

「相対マウスモード」は、
- 仮想デスクトップソフト
- 一部の業務用アプリケーション
- リモート操作時に複数画面(マルチディスプレイ)や特殊な入力環境を使う場合
など、マウスの動きをより正確にリモートPCへ伝えたいときに利用する設定です。
通常のリモート操作で困らなければオフのままでOKです。
マウスの動きが思い通りにならない場合は「相対マウスモード」をお試しください。
画面での入力

画面での入力は、画面上に表示されるソフトウェアキーボードや入力欄から、直接リモートPCへ文字やキー操作を送る機能です。

手元のキーボードが使えない時や、スマホ・タブレットだけで操作したい場合、または特殊な記号や他言語の入力が必要なときなどに便利です。
ディスプレイ

リモートPCで複数のディスプレイ(マルチモニター)がある場合、どの画面を操作・表示するかを選択できます。

必要な作業ウィンドウだけ切り替えて表示したい時に便利です。
データ転送
ファイルをアップロード

今操作しているPCから、リモートPCへファイルを送る機能です。
手元のファイルをリモートPCにコピーしたい時など。
ファイルをダウンロード

リモートPCから、今操作しているPCへファイルを送る機能です。
リモートPC上のファイルを手元に持ってきたい時など。
クリップボードを同期する

コピーしたテキストを、手元PC⇔リモートPC間でそのまま貼り付けできる機能です。
メモやURL、ちょっとした文章を共有するのに便利です。
画像や特殊なデータは共有できない場合があります。
サポート
統計情報(帯域幅・ビットレート表示)

統計情報をオンにすると、リモートデスクトップ画面にネット回線の帯域幅やビットレート(通信速度や転送データ量)のグラフが表示されます。
リモート接続が遅い・カクつく場合や、通信環境をチェックしたい時に活用できます。
通常はオフのままで問題ありませんが、ネットワーク状態の確認やトラブル解決に役立ちます。

- 帯域幅(たいいきはば)
-
ネット回線がどれだけ広いデータの通り道を持っているか(≒通信速度)を示します。
帯域幅が広いほど、より多くのデータを素早くやりとりできます。 - ビットレート
-
1秒あたりに送受信されるデータ量のこと。ビデオ会議やリモート操作で「どれだけ滑らかに・高画質に通信できているか」を表します。
まとめ
Chromeリモートデスクトップには、画面調整やファイル転送、クリップボード共有など、リモート作業を快適にする便利な機能が揃っています。
うまく活用することで、よりスムーズなリモートワークやトラブル対応が実現できます。
自宅や職場のパソコンをリモートで操作する際に、ぜひご活用ください。

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