IT導入補助金の効果報告とは?必要な内容・提出の流れ・注意点まとめ

IT導入補助金でITツールやシステムを導入した後も、「効果報告」というステップが待っています。
効果報告は、補助金を受けた事業者がITツール導入によって得られた成果や変化を記録し、事務局へ提出する重要なプロセスです。
本記事では、IT導入補助金における効果報告の概要についてご紹介します。
IT導入補助金や日々の業務効率化について、ご質問やご相談をいつでもお受けしています。
はじめての方や相談先をお探しの方も、お気軽にお問い合わせください。
IT導入補助金の効果報告とは?
効果報告は、IT導入補助金で導入したシステムやツールの「導入効果」を数値や事例をもとに報告するものです。
提出回数やタイミングは、補助金の枠ごとに異なります。
例えば、通常枠(A・B類型)では導入翌年から3年間、毎年1回の報告が必要ですが、デジタル化基盤導入枠(継続活用やインボイス関連)は導入後1年目のみの報告となります。
補助枠 | 報告回数 | |
---|---|---|
通常枠(A・B類型) | 3回 | 導入翌年から3年間、毎年1回報告が必要。 |
セキュリティ枠 | 1回 | 1回のみ、導入から3年目の報告。 |
デジタル化基盤導入枠 (継続活用やインボイス関連) | 1回 | 導入後1年目(最初の報告)のみ。 |
デジタル化基盤導入枠 (賃上げ実施状況対象) | 1回 | 賃上げ加点対象の場合に、3年目に1回報告。 |
「インボイス枠」は、「デジタル化基盤導入枠(継続活用やインボイス関連)」に分類されます。
インボイス対応のITツールを導入した場合はこちらの枠での報告となります。
各補助枠によって報告が必要な年数やタイミングが異なりますので、申請した補助枠や公式サイトで詳細をご確認ください。
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効果報告で求められる主な内容
提出する主な内容は以下の通りです。
(通常枠の場合)
- 営業利益(円)
- 人件費(円)
- 減価償却費(円)
- 付加価値額(円)(自動計算:営業利益+人件費+減価償却費)
- 従業員数(人)
- 年間の平均労働時間(時間)
- 労働生産性(自動計算:付加価値額 ÷ 従業員数)
- 給与支給総額(円)
- 事業場内最低賃金(円)
これらの数値や実績は、ITツール導入前後でどのように変化したかを比較することで、IT投資がどの程度の効果をもたらしたかを示す役割を果たします。
効果報告の提出フロー(概要)
効果報告の提出手順(概要)は以下の流れです。
効果報告の内容は、基本的にWeb上で入力・提出する形式です。証憑や書類の添付が必要な場合もあるので、事前に準備しておくとスムーズです。
効果報告の記入ポイント・注意点
定量データは正確に記載する
売上や人員数、労働時間などは、決算書や勤怠管理システムの数値を使って入力。
目標未達の場合は理由と今後の改善策も記載
例:賃上げが未達の場合は、「一時的な売上減少が原因のため、次年度以降で実施予定」など
提出期限を守ること
期限を過ぎると補助金返還などペナルティがあります。
証憑資料の保存も忘れずに
数値の根拠となる帳票や資料は、原則5年間保存が必要です。
報告しないとどうなる?
効果報告は義務となっており、提出しない場合や、虚偽・不十分な報告をした場合にはペナルティが課せられます。
主なペナルティ内容は以下の通りです。
- 補助金の返還命令が下ることがある
指定された期日までに効果報告を提出しなかった場合、受け取った補助金の全額または一部を返還しなければならないケースがあります。 - 将来の補助金申請が不利になる
効果報告の未提出や不備があると、今後のIT導入補助金や他の補助金・助成金の申請時に不利となる場合があります。 - 事務局から繰り返し督促が届く
期限を過ぎても提出しない場合、メールや電話で繰り返し督促が行われます。それでも対応しない場合は、前述の通り厳しい措置につながります。
効果報告の提出は、「制度の利用者としての信頼」を保つうえでも大切な義務です。
忘れず・正確に・期限内にご提出ください。
まとめ
効果報告は、補助金の「使いっぱなし」にならず、IT投資の成果を見える化する大切なステップです。
正確に、期限内に提出することで、今後もIT導入補助金など各種支援策を有利に活用できます。
確実な提出を心がけ、補助金を最大限に活用しましょう。
※補助枠や年度によって報告内容が異なる場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。
(参考:IT導入補助金 事業実施効果報告の手引き)
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