Google Analytics Data API の認証設定方法：クライアントIDとシークレットの取得

2024年11月14日2024年12月1日

前回の記事では、アドオンを使ったGA4のデータ取得をご紹介しましたが、今回はGoogle Apps Script（GAS）を活用して、GA4データを取得する方法となります。

GASを活用するにはクライアントIDとクライアントシークレットが必要になるため、その取得方法をご紹介します。

アドオンよりもさらに細かなカスタマイズや自動化を実現したい場合にGASを使うと便利です。

Google Analytics Data API でできること

Google Analytics API でできること

ユーザー数やイベント数などの主要な指標を取得
特定の条件でデータを絞り込み、分析に必要なデータのみを取り出す
スプレッドシートに取り込み、他のデータと合わせて視覚化やカスタムレポートを作成

Google Analytics Data APIは、Googleアナリティクスのさまざまな指標やディメンションをプログラムで取得し、自由に操作するためのツールです。

アドオンを使った方法でも定期的なデータ更新は可能ですが、GASを使うことで以下のようなメリットがあります。

柔軟なカスタマイズが可能
取得するデータやフィルタを自由に設定し、より詳細なレポートを作成することができます。
追加の処理の自動化
取得したデータを加工したり、他のGoogleサービス（Gmailやカレンダーなど）と連携させることで、一連の作業をまとめて自動化できます。
制御の幅広さ
データ取得のタイミングを定期的な実行に加え、イベントに応じて柔軟に設定することが可能です。

Google Analytics Data APIの認証設定

プロジェクトの作成とGoogle Analytics Data APIの有効化

STEP

Google Cloud Platform アカウントの作成

Google Cloud Platform (GCP) にアクセスし、アカウントを作成します。

「無料で開始」をクリックします。

新規ユーザーの場合、300ドル分の無料クレジットが提供されます。

アカウント作成済みの場合はログインします.。

STEP

プロジェクトの選択

ログイン後の画面になったら、画面左上にある「プロジェクトの選択」をクリックします。

STEP

プロジェクトの作成

「新しいプロジェクト」をクリックしてプロジェクトを作成します。

STEP

プロジェクト名を決める

プロジェクト名を決めて「作成」ボタンを押します。

プロジェクト名はデフォルトで入力されていますが、好きな名前に変更できます。

STEP

作成されたプロジェクトを選択

「プロジェクトの選択」から作成されたプロジェクトを選択します。

STEP

APIとサービスを選択

プロジェクトを選択後、「APIとサービス」をクリックします。

STEP

ライブラリを選択

続いて、「ライブラリ」にアクセスします。

STEP

Google Analytics Data API を検索

「Google Analytics Data API」を入力し検索します。

STEP

APIの有効化

「有効にする」ボタンをクリックしてAPIを有効化します。

OAuth 同意画面の構成

APIの認証情報を作成する前に、OAuth 同意画面を構成する必要があります。

OAuth 同意画面は、ユーザーがアプリケーションにアクセスする際に表示される画面です。

この画面で、ユーザーに対してどのようなデータにアクセスするのかを知らせ、同意を得る必要があります。

STEP

OAuth 同意画面の設定

GCPコンソールで「APIとサービス」>「OAuth 同意画面」に移動します。

内部または外部のユーザータイプを選択し、「作成」をクリックします。

（Google Workspace ユーザーではない場合は「外部」のみ選択できます）

STEP

OAuth 同意画面　アプリ情報の入力

アプリケーション名、サポートメール、ユーザーに見せたいスコープなどの情報を設定します。

以下の項目は必須入力です。

アプリ名（好きな名前を入力）
ユーザーサポートメール
デベロッパーの連絡先情報（メールアドレス）

入力したら、「保存して次へ」をクリックします。

STEP

OAuth 同意画面（スコープの入力）

スコープは後で追加できるので、初期設定ではスコープを入力せず「保存して次へ」をクリックしても問題ありません。

STEP

OAuth 同意画面（省略可能な情報）

「省略可能な情報」は、基本的に入力しなくても問題ありません。

これらの情報は、より詳細なアプリケーションの説明やユーザーの信頼性を向上させるためのものですが、特に内部的に使用する場合は省略しても影響はありません。

「保存して次へ」をクリックします。

STEP

OAuth 同意画面（概要）

登録した内容を確認したら「ダッシュボードに戻る」をクリックします。

OAuth 同意画面はこれで完了です。

クライアントIDの作成

STEP

認証情報を作成

「APIとサービス」>「認証情報」メニューに移動し、「認証情報を作成」から「OAuth クライアント ID」を選択します。

STEP

アプリケーションの種類を選択

GASを利用する場合は、アプリケーションの種類を「ウェブアプリケーション」として選択します。

STEP

必要な項目を入力

名前を入力します。

特に名前を付ける必要がなければデフォルトで入力されている名前を使用します。

GASを使うだけの場合は、JavaScript生成元の設定は不要です。

（一般的に、Google Apps ScriptはGoogleのサーバーサイドで実行され、クライアントサイドからのJavaScriptの実行元が必要ないため）

承認済みのリダイレクトURIはhttps://developers.google.com/oauthplaygroundを使用するのが一般的です。

（もし自分で作成したウェブアプリや独自のリダイレクトエンドポイントを利用する場合は、そのURLを設定する必要があります。）

必要な項目を入力したら、「作成」をクリックします。

STEP

クライアントID、シークレットをコピー

生成されたクライアントIDとクライアントシークレットをコピーし、GASで使用できるように保管します。

STEP

GASエディタを開く

Googleスプレッドシートを開き、メニューの「拡張機能」から「Apps Script」をクリックしてGASエディタを開きます。

STEP

GAS スクリプトプロパティへ保存

「プロジェクトの設定」を選択します。

STEP

スクリプトプロパティを追加

「スクリプトプロパティを追加」を選択して、以下3つのキー名と値を入力します。

キー名	値
CLIENT_ID	クライアントID
CLIENT_SECRET	クライアントシークレット
PROPERTY_ID	GA4のプロパティID

CLIENT_IDとCLIENT_SECRETは先ほどコピーした値を貼り付けます。

GA4のプロパティIDは数字のみで構成されています。

例えば、123456789のような9桁の数値です。

GA4のプロパティID確認方法

Google Analyticsにログインします。
左下の管理アイコンをクリックします。
「プロパティ設定」の「プロパティ」ー「プロパティ詳細」をクリックします。
プロパティ詳細の画面右上にプロパティ IDがあります。

入力したら、「スクリプトプロパティを保存」を押します。

まとめ

これで Google Analytics Data APIの有効化まで完了です。

次の記事で、GASを使ってGA4のデータをスプレッドシートに取得する方法をご紹介します。

Google Analytics Data API の認証設定方法：クライアントIDとシークレットの取得

Google Analytics Data API でできること