IT導入補助金とはどのような制度?概要と注意点
ITツールを導入して業務を効率化したいと考えていても、その費用がネックとなって一歩踏み出せないということもあるかもしれません。
そんな方にとって大きな助けとなる制度がIT導入補助金です。
この記事では、IT導入補助金の概要についてご紹介します。
IT導入補助金とは?
- 中小企業や小規模事業者向けの補助金制度
- 業務効率化やDX促進が目的
- 申請には「IT導入支援事業者」との連携が必要
- 会計ソフト、CRM(顧客関係管理)、在庫管理システムなどが対象
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や生産性向上を目的としてITツールを導入する際、その費用の一部を国が補助する制度です。
補助率はITツール導入時の初期費用を軽減できます。
このIT導入補助金を申請するには、「IT導入支援事業者」と協力することが必要です。
IT導入支援事業者は、補助金事務局に登録されており、適切なITツールの選定や導入、申請手続きまでをサポートします。
対象となるITツールは、会計ソフトや顧客管理システム(CRM)、在庫管理システムなど多岐にわたり、自社のニーズに合わせて選択することが可能です。
なお、補助金申請には審査があり、すべての申請が必ずしも承認されるわけではありません。
申請内容が審査を通過した場合にのみ、補助金が支給されます。
- 会計・受発注・決済システムなどのソフトウェア
- ソフトウェア導入に関連するハードウェア(PC・タブレット・プリンターなど)(インボイス枠)
補助金にはいくつかの枠が設けられており、各枠に対してのITツールはIT導入補助金のウェブサイトで調べることができます。
IT導入補助金の対象者と申請条件
中小企業・小規模事業者および個人事業主
- 日本国内で事業を営んでいること
- gBizIDプライムを取得していること
- 「SECURITY ACTION」の実施(情報セキュリティ対策の宣言)
- 1期目を終えている事業者であること
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者だけでなく、個人事業主も対象となる補助金制度です。
業種や事業規模に応じて申請が可能ですが、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、日本国内で事業を営んでいることが基本条件です。(日本国内で法人登記されている)
また、申請に必要なgBizIDプライムは、政府の各種オンラインサービスにアクセスするための共通IDで、IT導入補助金の申請手続きにも必要です。
このIDを取得することで、オンラインでの申請が可能になります。
さらに、情報セキュリティ対策を宣言する「SECURITY ACTION」の実施も求められます。
これは、企業や事業者がセキュリティ対策に取り組んでいることを自己宣言するもので、申請時にそのアカウントIDを登録する必要があります。
その他、必要な書類を揃え、申請要件を満たすことが重要です。
申請の必要書類の一つには納税証明書があります。
この証明書は1期目の申告・納税が完了していないと発行されません。
そのため、申請できるのは1期目を終えている事業者になります。
詳細な申請条件や対象者に関する情報は、以下のリンクからご確認ください。
IT導入補助金の申請条件と対象者
IT導入補助金の申請手順
まず、IT導入補助金の公募要領を確認し、申請に必要な情報を把握します。
gBizIDプライムのアカウントを取得し、情報セキュリティ対策として「SECURITY ACTION」を実施します。
自社のデジタル化推進状況を確認するため、「みらデジ経営チェック」を行います。
IT導入支援事業者と協力し、導入するITツールを選定します。
申請書類を準備し、補助金事務局に交付申請を行います。
交付申請が承認されると、補助金の交付が決定します。
交付決定後に、選定したITツールの発注、契約、支払いを行います。
ITツールを導入後、事業の実績報告を行います。
実績報告の審査が通ると、補助金を受け取ることができます。
最終的に、ITツール導入による効果を報告します
具体的な手順については、以下のリンクより確認できます。
新規申請・手続きフロー
(中小企業・小規模事業者等のみなさまの手続き)
IT導入補助金の申請における注意点
- 交付決定前に導入されたITツールは対象外
- 一度補助金を交付された事業者の再申請について
- 他の助成金・補助金との併用はできない
- 交付決定前に導入されたITツールは対象外
-
補助金の交付決定が正式にされる前に、導入予定のITツールの契約を結んだり、発注、納品、支払いなどを行った場合、その行為は補助金の対象経費として認められないため、補助金を受け取ることができなくなります。
- 一度補助金を交付された事業者の再申請について
-
一度補助金を受けた事業者が、別のITツールを導入する際に再度補助金を申請することは可能です。
ただし、同じ事業年度内で同じ枠(普通枠など)に複数回申請することはできません。前回の交付決定日から12か月以上を経過している必要があります。
なお、異なる枠「インボイス枠」や「セキュリティ対策推進枠」など、の申請は可能です。
- 他の助成金・補助金との併用はできない
-
IT導入補助金は、国や中小企業機構が提供する他の助成金・補助金と併用することはできません。
ただし、補助対象となる事業内容(サービス・ソフトウェア、経費など)が重複しない場合には、他の補助金を併せて申請することが可能です。
まとめ
IT導入補助金の活用は、業務の効率化やDX化を図る大きなチャンスとなります。
ただし、申請の際にはいくつかの注意点をしっかりと把握しておく必要があります。
特に、補助金の交付決定前に契約や支払いを行うと対象外となることには注意が必要です。
補助金を上手に活用して業務効率化を推進し、競争力を高めていきましょう。
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