Google Workspaceでエイリアスを活用|複数メールアドレスを効率よく使い分け

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Google Workspaceを導入しようとしたときや、初期設定を進める中で「メールエイリアス」という言葉を見かけて、「これは何?」「設定しなきゃいけないの?」と戸惑ったことはありませんか?

申し込みの途中で「エイリアスを追加しますか?」と表示されても、意味が分からずスルーしてしまったり、
後になって「設定しておいた方がよかったかも」と感じることもあるかもしれません。

本記事では、「エイリアスとは何なのか?」「使うとどんなメリットがあるの?」といった基本的な内容から、活用シーンや設定方法までご説明します。

これから Google Workspace を使い始める方も、すでに使っていて「もっと便利に使いたい」と感じている方にも、幅広くご活用いただける内容です。

なお、エイリアスは必須の設定ではありません。
あとからでも追加できるので、最初の時点で設定していなくても問題ありません。

目次

エイリアスとは?

  • エイリアスは、1人のユーザーに対して複数のメールアドレスを割り当てることができる機能
  • 追加されたアドレス宛に届いたメールは、すべて元アカウントのGmail受信トレイで一括受信

Google Workspaceにおけるエイリアスは、1つのユーザーアカウントに対して、複数のメールアドレスを追加し、それらのアドレス宛のメールを同じ受信トレイで受け取れるようにする機能です。

たとえば、「taro@example.com」というユーザーが、「info@example.com」 や「 sales@example.com」といったエイリアスを追加することで、これらのアドレス宛のメールも 「taro@example.com」 の受信トレイで受信できます。

個人アカウントのGmailでも「+」記号を使ったエイリアス(例:taro+work@gmail.com)を設定し、送信元アドレスとして使用することが可能です。
ですが、これは元のアドレスに文字列を追加した形式であり、Google Workspaceのように全く異なるアドレス(例:info@example.com)を追加する機能とは異なります。

エイリアスの設定例

info@ / sales@ / event@ のアドレスが、すべて taro@example.com のエイリアスとなります

例として、社員の「田中太郎さん(taro@example.com)」がいるとします。

田中さんは、以下のように役割ごとにメールアドレスを使い分けたいと考えています。

これらをすべて新しいアカウントとして作るのは管理が大変になります。

そこで、エイリアスとしてtaro@example.comに以下を追加します。

そうすると、これらすべての宛先に届いたメールが、田中さん(taro@example.com)のGmailで受信できるようになります。

アカウント所有者メインアドレスエイリアス例
田中 太郎taro@example.cominfo@example.com
sales@example.com
event@example.com
など

なぜエイリアスが便利なのか?

  • 業務や用途ごとにアドレスを使い分けながらも、メールは1人で確認・対応できる
  • お客様とのやりとりで個人のアドレスを公開せずに済む
  • 担当者の異動や退職時にもエイリアスを別の人に引き継ぐだけで済む

エイリアスは、「アドレスの役割は分けたいけれども、管理は一元化したい」という場面で有効です。

ポイント
  • 追加アカウント不要
    ログインは1つのアドレスtaro@example.comのままでOK
  • 受信用アドレスとして使える
    用途別にアドレスを使い分け
  • 個人のメールアドレスを公開せずに対応できる
    たとえば、info@でお客様対応すれば、個人アドレスは非公開のまま

エイリアスのメリット・デメリット

メリットデメリット
複数のメールアドレスを1つの受信トレイで管理できる
組織内での役割分担がしやすい
プライバシーの保護
退職者のアカウント管理ができる
追加費用なしで利用可能
送信元アドレスとして使うには追加設定が必要
エイリアスの管理には管理者権限が必要
Googleグループとの違いが分かりづらい
認証設定によってはスパムと判断されることも
メリット詳細
複数のメールアドレスを1つの受信トレイで管理できる

1つのログイン先だけで、複数の役割や目的でメールアドレスを使い分けたい場合に便利です。

わざわざ別アカウントにログインし直す必要がなく、業務効率が向上します。

組織内での役割分担がしやすい

部署やチームごとの代表アドレスを作成できます。

info@sales@ など用途別に分けることで、誰がどの問い合わせに対応するかが明確になります。

プライバシーの保護

メインのメールアドレスを公開せずに、エイリアスを介してやり取りが可能です。

たとえば、問い合わせ対応に info@ を使えば、個人アドレスを伏せたまま応答できます。

退職者のアカウント管理

退職した社員が担当していたアドレスを、別のメンバーのエイリアスとして引き継ぐことで、連絡窓口を維持できます。

アカウントの削除後も、問い合わせ対応が途切れません。

追加費用なしで利用可能

Google Workspaceのほとんどのプランで、ユーザーあたり複数のエイリアスを無料で追加できます。

デメリット詳細
送信元アドレスとして使うには追加設定が必要

受信は自動で行えますが、エイリアスからメールを送信するには、Gmailの設定画面で「他のメールアドレスを追加」する必要があります。

権限のある管理者でないと設定できない

エイリアスの追加や削除は Google Workspace 管理コンソールから行うため、一般ユーザーは自分で設定できません。

Googleグループとの違いが分かりづらい

エイリアスは個人宛、Google グループは複数人宛。目的に応じた正しい使い分けが必要です。

認証設定によってはスパムと判断されることも

エイリアスからの送信時、SPFやDKIMなどのドメイン認証設定が不十分だと、相手側でスパムメールと誤判定されることがあります。

SPFやDKIMについて

SPF(Sender Policy Framework)と DKIM(DomainKeys Identified Mail)はどちらも「このメールは正しく自社のサーバーから送られたものです」と証明するための技術です。

メールのなりすまし(偽装)を防ぐために導入されており、最近ではこれらの認証がされていないメールは、相手側で弾かれることが増えています。

エイリアスの設定方法(管理者向け)

Google Workspaceのエイリアスは、ユーザー本人では設定できず、管理者がGoogle管理コンソールから追加する必要があります。

この項目では、管理者としてのエイリアス設定手順をご説明します。

STEP
Google管理コンソールにログイン

管理コンソールにアクセスし、管理者アカウントでログインします。

STEP
「ユーザー」メニューを開く

左側メニューから「ディレクトリ」>「ユーザー」を選択します。

STEP
エイリアスを追加したいユーザーをクリック

エイリアスを追加したいユーザーを選択します。

STEP
「ユーザー情報」セクションを開く

ユーザーの詳細画面の「ユーザー情報」を展開します。

STEP
「予備のメールアドレス(メールエイリアス)」をクリック

「予備のメールアドレス(メール エイリアス)」の編集ボタンをクリックします。

STEP
追加したいエイリアスを入力・保存

追加したいエイリアス(例:info@example.com)を入力し、「保存」をクリックします。

エイリアスは1ユーザーあたり最大30個まで登録できます。

エイリアスを削除したい場合も、同じ画面から編集可能です。

STEP
エイリアス宛のメール受信が可能に

保存後は、そのアドレス宛のメールが対象ユーザーの受信トレイに届くようになります。

エイリアスの送信はどうなるのか?

Google Workspaceのエイリアスは、受信は自動でできる一方で、送信には注意が必要です。

この項目では、エイリアスからのメール送信がどうなるのか、送信元として使う方法をご説明します。

項目内容
初期状態送信はメインアドレスから行われる(例:taro@example.com
エイリアスから送信するにはGmailの設定で「他のアドレスを追加」が必要
自動で切り替えるには「受信したアドレスから返信」を有効にする

初期状態の送信元は「メインのアドレス」になる

エイリアスを追加しただけでは、Gmailでメールを作成・返信する際の送信元アドレスは、メインアドレスのままになります。(例:taro@example.com

info@example.comsales@example.com 宛に届いたメールに返信しても、初期設定のままでは taro@example.com から返信されてしまいます。

エイリアスから送信するには:設定方法(ユーザー側)

※この設定は管理者ではなく、各ユーザーが自分のGmail上で行えます。

Gmail の設定で「他のメールアドレスを追加」することで、エイリアスを送信元として使えるようになります。

この設定を行うと、メール作成時に差出人欄からエイリアスを選択できるようになります。

毎回送信元を手動で切り替えるのではなく、自動的にエイリアスから返信したい場合は、次の項目「自動で送信元を切り替えたい場合」をあわせてご覧ください。

STEP
Gmailの設定画面を開く

Gmail を開き、右上の歯車アイコンから「すべての設定を表示」をクリックします。

STEP
「アカウント」タブを開く

設定画面の上部メニューから「アカウント」タブをクリックします。

STEP
「他のメールアドレスを追加」を選択

「名前」セクションの「他のメールアドレスを追加」をクリックします。

STEP
エイリアスのアドレスを入力して認証

他のメールアドレスを追加」をクリックすると、黄色い設定画面が表示されます。

ここで以下の内容を入力します。

  • 名前
    相手に表示される差出人名です。
    社外対応で名前を伏せたい場合や部署名を表示したい場合は、エイリアスに合わせて名前を変更します
     例:info@example.com であれば → 名前を「カスタマーサポート」などに
  • メールアドレス
     管理者により設定されたエイリアスを入力します。
     例:info@example.com
  • 「エイリアスとして扱います」にチェック
     通常はチェックを入れたままで問題ありません。
     (初期状態でチェック済)

入力が完了したら、「次のステップ」をクリックします。

確認メールが送信される場合は、受信して認証リンクをクリックしてください。

他のメールアドレスとして追加されれば設定OKです。

STEP
送信元としてエイリアスが選択可能に

設定が完了すると、メール作成時の「差出人」欄から、エイリアスアドレスを選択できるようになります。

自動で送信元を切り替えたい場合

エイリアスを追加すると、以下のオプションが表示されます。

✅メールを受信したアドレスから返信する

この設定を有効にすると、エイリアス宛に届いたメールには、自動的にそのエイリアスを送信元として返信されるようになります。

たとえば info@example.com宛のメールには、返信時の差出人もinfo@example.comに自動で切り替わります。

手動で差出人を変更する必要がなくなるため、ミス防止や作業効率アップに役立ちます。

エイリアス利用時のポイント

  • メールの振り分けにはフィルタを活用
  • エイリアスを削除しても過去のメールには影響しない
  • SPF・DKIMの設定状況を確認しておく
メールの振り分けにはフィルタを活用

Gmailには「フィルタとラベル」の機能があり、エイリアスごとに受信メールを自動で仕分けることができます。

たとえば、sales@example.com 宛のメールは「営業」ラベルをつける、といった運用を行えば、複数のエイリアスを使い分けても受信トレイが整理され、対応漏れの防止にもつながります。

エイリアスを削除しても過去のメールには影響しない

エイリアスを削除した場合でも、すでに受信済みのメールはそのまま残ります。

ですが、削除後はそのアドレス宛の新しいメールは届かなくなりますので、重要なアドレスを削除する際は、事前に引き継ぎ先を決めておくなど注意が必要です。

SPF・DKIMの設定状況を確認しておく

エイリアスから送信する場合、ドメイン側の認証設定(SPFやDKIM)が適切に行われていないと、相手側でスパム扱いされる可能性があります。

これらの認証設定はGoogle Workspace導入時にDNSにて設定するものですが、環境によっては未設定のままになっているケースもあります。

そのため、メールが届かない、届いても迷惑メール扱いされるといった現象が起きる場合は、ここをご確認ください。

エイリアスとGoogleグループとの違い

  • 1人で対応したい → エイリアス
  • 複数人で共有したい → Google グループ

Google Workspace でよく使われる「メール エイリアス」と「Google グループ」は、どちらも特定のメールアドレス宛てのメールを他のアカウントで受け取ることができますが、仕組みや用途が異なります。

エイリアスと Googleグループの主な違い

項目エイリアスGoogleグループ
所属先個人のメールアカウントに紐づくグループ単位で独立して存在
受信先1人のユーザーのみメンバー全員にメールが配信される
主な用途部署名などの別名アドレスでの受信
(例:info@)
チーム共有や一斉連絡
(例:support@)
送信初期状態では送信不可(設定で可能)権限次第でグループアドレスからの送信が可能
メールの保存先メインアカウントの受信トレイグループのスレッド内、および各メンバーの設定次第
管理者設定ユーザーにエイリアスを追加グループの作成・メンバー管理・投稿権限の設定が可

エイリアスは、1人のユーザーが複数の役割を持つ場合や、個人アドレスを非公開にしたいときに便利です。
たとえば、info@のようなアドレスを、特定の担当者1人で受け取りたい場合に向いています。

Google グループは、複数人で対応が必要な問い合わせ窓口や、社内の一斉通知のような用途に適しています。
たとえば、support@ のようなアドレスで、メンバー全員が同じ内容を受け取りたいときに活躍します。

使い分けの目安

エイリアスを使う場面
  • 1人のメンバーが複数の業務・役割を兼任している
  • アドレスを使い分けたいが、受信と対応は1人で完結させたい
  • info@ や billing@ など、対外的な問い合わせ窓口として個人が受信するケース
  • 退職者の旧アドレスを、別の社員で引き継ぎたい場合
Google グループを使う場面
  • 複数のメンバーで同じメールを共有・対応したい(サポートチームなど)
  • 部署全体への通知・社内一斉メール(メーリングリスト)として使いたい
  • 外部からの問い合わせに対して、チーム全員で対応履歴を共有したい
  • 各メンバーごとにメール受信・購読設定を切り替えたい

まとめ

Google Workspaceのエイリアス機能は、1人のユーザーが複数のアドレスを使い分けてメールを受信できる便利な仕組みです。

info@sales@ といった用途別のアドレスを持たせることで、業務の分類や社外とのやりとりを整理しやすくなります。

受信設定はシンプルですが、管理者でないと設定できない点や、送信に関してはユーザー側でGmailの「他のメールアドレスを追加」の設定が必要になる点には注意が必要です。

日々のメール対応や社外コミュニケーションを効率化したい方にとって、エイリアスは業務整理・改善の第一歩となる機能です。

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