「自分がやったほうが早い」と抱え込む前に|仕事を任せて経営に集中するヒント

経営者として日々奮闘している中で、「結局、自分でやった方が早い」と感じてしまうことありませんか?
誰かに任せたいとは思っていても、説明する時間や指示通りに動いてくれるかどうかを考えると自分でやった方が早いかもしれません。
ですが、それでは仕事の量が増えれば増えるほど負担も大きくなり、いずれ限界がきてしまいます。
そうなる前に、一度ご自身の仕事の棚卸しをしてみませんか?
「任せる」ことには不安もつきものですが、経営者が本来の仕事に集中するための大切なステップです。
この記事では、仕事を任せやすくするための業務整理の方法やポイントをご紹介します。
任せられる仕事は任せた方がいい理由

経営の仕事に集中できる
一人ですべてをこなすには限界がある
組織やスタッフの成長の機会になる
まずは、仕事を任せた方がいい理由を以下の3つの観点から整理します。
経営の仕事に集中できる
現場での実務作業、細かな事務処理を自分でこなそうとすると、本来力を入れるべき経営業務に十分な時間を割けなくなってしまいます。
日々の業務に追われすぎると、会社全体を見渡す余裕や新たなチャンスに挑戦する時間もなかなか取れません。
そのため、任せられる仕事はスタッフに委ね、経営判断や今後の方向性を考えるといった本来の仕事に集中できる環境を整えることが大切です。
一人ですべてをこなすには限界がある
目の前のタスクについては、そのタスクを理解している自分がやった方が早いと感じるかもしれません。
ご自身の仕事への強いこだわりや、あるいは過去に任せて期待通りにいかなかった経験がある場合、なおさら自分で抱え込みたくなるかもしれません。
ですが、業務が増えれば増えるほど負担が大きくなり、いずれ心身ともに限界がきてしまいます。
さらに、もし経営者が倒れるようなことがあれば、会社全体の運営にも影響がでてしまいます。
だからこそ、無理に一人ですべてを抱え込まず適切に分担することが大切です。
社内で協力する体制をつくることで安心して仕事を続けられ、それが会社の安定運営にもつながります。
組織やスタッフの成長の機会になる
任せることをためらって経営者がすべてをこなしてしまうと、スタッフや組織全体の成長機会も失われてしまいます。
仕事を任せ、経験を積ませることでスタッフのスキルアップや主体性が生まれ、結果的に会社全体の生産性やチーム力も高まります。
反対に、経営者が全てを抱え込む体制が続くと、スタッフはいつまでも自立できず、「経営者がいないと回らない会社」になってしまいかねません。
業務を任せるためにすること

- 任せられる業務を洗い出し、整理する
- 業務の手順書を作成する
- 業務を見直し、重要でないものはやめる
業務を任せるために、まず取り組みたいポイントは次の3つです。
任せられる業務を洗い出し、整理する

まずは手書きでもスプレッドシートでもいいので、
- 日々のルーチンワーク
- 手順が分かればできる仕事
などをリストアップしていきます。
書き出すことで、どの作業が自分に集中しているのか、他のメンバーに任せられそうな業務は何かを把握しやすくなります。
「朝一番にやること」「お昼前にやっていること」「毎月の決まった作業」など、時間帯で区切って整理してみるのもいいですね。
業務を洗い出したうえで、仕事の内容や優先順位を整理すると、どの業務から任せていくべきか判断しやすくなります。
例えば、Googleスプレッドシートで業務を洗い出す場合は、以下のような表で作成します。
(用途に合わせてご自由にアレンジしてください)
業務の手順書を作成する
手順書を作成するのは一時的には手間がかかりますが、一度作成すれば仕事を任せるのがラクになります。
口頭だけで仕事を伝えることもできますが、指示が曖昧になる可能性もあります。
受けた側も「これってどうやるんでしたっけ?」ということになれば同じことを繰り返し説明しなければなりません。
手順書を作成しておけば、スタッフが迷わず動きやすくなりますし、後から別の人に引き継ぐときもスムーズです。
業務を見直し、重要でないものはやめる
手順書を作成するとなれば、そのための時間が必要です。
「手順書作成に充てる時間がない」という場合は業務自体を見直してみては。
本当に必要でない仕事は思い切ってやめてしまい、そこで生まれた時間を任せる準備にあてると効果的です。
任せる時に気を付けること

任せられる業務を洗い出して手順書まで作成できたら、実際にスタッフに仕事をお願いしていきます。
手順書を作成したからといってはじめから全てが分かるとは限りません。
そのため、まずは
- いきなり丸投げせず、小さな業務からスタート
- 任せた後も定期的に進捗を確認し、必要に応じてフォロー
- 最初から完璧を求めず、うまくいかなかった部分は一緒に振り返る
を試しながら進めてみてださい。
任せることは、ただ仕事を手放すだけでなく、スタッフやチームの成長を促す機会にもなります。
最初はうまくいかないことがあっても、コミュニケーションを大切にしながら、少しずつ任せる範囲を広げていきましょう。
スタッフも忙しすぎて任せられない場合
任せる仕事は決まっても、
- 「仕事を任せたいけれど、スタッフもみんな手一杯で、結局誰にも頼めない…」
- 「やらなくていい業務をやめても、まだ人手が足りない」
ということもあるかもしれません。
そんな時は、外部に仕事を依頼(アウトソーシング)するのも有効な手段です。
例えばオンラインアシスタントを活用すれば、スキルのある人にすぐに仕事を依頼できます。
ただ、外部に依頼する際も、いきなり大きな仕事を任せるのではなく、最初は月末の書類整理や、定型的なデータ入力など、負担の少ない業務から依頼するのがおすすめです。
信頼関係を作れたら、お願いする仕事を増やしていくと効果的です。

まとめ
「自分でやった方が早い」と感じてしまうのはよくあることですが、すべてを一人で抱えるには限界があります。
任せられる業務を整理し、スタッフや外部リソースを活用することで、ご自身の時間とエネルギーを有効活用できるようになります。
任せる仕組みを整えることで、経営に集中できる時間と心の余裕が生まれますし、さらにスタッフや会社全体の成長にもつながります。
まずは、任せる力を少しずつ身につけていきましょう。
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